Suzanne Vega ”Cracking"
彼女の大ヒット作、児童虐待問題を歌った「ルカ」が、ルー・リードの「キッズ」に刺激されて出来た曲だということが、想像できる。
他にも、「トムズダイナー」という朗読のような曲は、"Walk on the Wild Side" の彼女バージョンではないだろうか。
音楽に合わせて歌詞を読むようなスタイルはトーキングブルースと言われ、日本では「港のヨーコ」が有名。その方法を大きく広めたのが、ボブ・ディランの先生ウディ・ガスリーだったそうだ。
彼女の曲は学生の時よく聞いたけれども、今日紹介するなら、最初のアルバムの、それも一曲目、 "Cracking"という曲。
なぜかわからないが、マンハッタンのセントラルパークを連想させる。
It's one time thing it happens a lot 一回きりのこと でもよく起きる
walk with me we will see what we have got 私と歩こう 何が起きたかわかるから
ah....ah...
My footstep are ticking like water diping from a tree 私の足がカチカチ音を立てる
木から滴るしずくのように
Walk on the hairline stepping very carefully 細い線の上を歩く 一歩一歩注意して
My heart is broken It's worn out at the knees 私のハートは壊れた 擦り切れたひざのように
Hearing muffled seeing blind 音はくぐもったように 目もかすみ
Soon it willl hit the deep freeze もうすぐ深く落ち込んでゆくわ
ah....
Something is cracking I don't know where そのときなにかが弾けた
どこかわからない場所で
Ice on the sidewalk brittle branches in the air
歩道の上に張った氷 それとも空中の細い枝?
ah...
The sun is blinding dizzy golden dancing green 太陽は眩く金色が木の葉と踊る
through the park in the afternoon 午後のセントラルパーク
wondering where the hell I have been... ああいったいどこを 私はほっつき歩いていたのか
ah...
日常の、ものすごくかすかな物事。女流小説家の、短編のようでしょう。